POPPINS GROUP NEWS 第23号
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ts fromInsighSILICON VALLEY年はなんと300社以上が出展。車の中・外を問わず、新規性に■れ、持続可能なイノベーションで魅せてくれました。  BMWは、外装の色を自在に変えることができたり、フロントガラスをディスプレイとしても使えたりする新しいコンセプトEV『BMW i Vision Dee』(DeeはDigital emotional experienceの略)を発表。 ソニーとホンダのジョイントベンチャー、ソニー・ホンダモビリティからは、初めてのコンセプトEV『Afeela』がお目見えしました。『Afeela』は、フロントエリアの両端まで横一線に広がるパノラミックスクリーンを装備。車内センサーで個人を識別し、シートやステアリングはもちろん、体格に合わせて音響までも自動調整、ドライバーの気分までも察知するそうです。 そして今年のCESでも特に注目が集まったのは、米新興企業ASKAの空飛ぶ車です。まもなく米国連邦航空局から実際の実用化が承認されると予想されており、販売価格も78万9000ドルと発表。予約注文も始まりました。 さて、少しバーチャルの方に目を向けてみると、パンデミックによりデジタル体験が増えたことを考えれば、CESでこれまで以上にAR/VRやMixed Reality(複合現実)が盛り上がりを見せたことは自然の流れのように思います。成長分野への新規参入も目立ち、 TCLのRayNeo X2 ARグラスは、まるで普通のメガネのような形状で拡張現実(AR)の技術を実現するもので、注目を集めました。また、ソニーは、リアルとバーチャルを繋ぐ試みの事例として、スポーツをテーマにした取り組みを発表。ユーザーがアバターとなってサッカーのスタジアムに入場したり、他のユーザーとともに観戦を楽しんだり、試合ハイライトの中に、アバターとしてが直接参加できる仕掛けなど、大変面白いものでした。 今年のイベントは、パンデミック前の2020年に比べれば75,000人ほど減少しましたが、出展者と来場者のエネルギーと興奮は凄まじいものでした。持続可能性=サステナビリティに関するメッセージがそこかしこで見られ、まさに「パーパスドリブン」なイベントとなりました。 今回、『CES 2023』での経験を経て私は、テクノロジーがもたらす新たな展望への希望で満たされて帰宅しました。コロナによって大きく変化した私たちの働き方や生活、そして遊び方。私たちの奥深くまで浸透したテクノロジーでのこうした新たな挑戦は、きっと次世代の繁栄やイノベーションの進化に繋がることでしょう。まさに今回のCES 2023は、人々が将来のための「正しい選択」をするための「選択肢」が日々増えていることを感じさせてくれるイベントでした。vol.03株式会社 ポピンズ〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-6-6 広尾プラザ5Fedu-carenews@poppins.co.jp www.poppins.co.jp/hldgs/[証券コード : 7358]株式会社ポピンズは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。第3号FacebookInstagram中澤里華氏日本生まれ、プリンストン大学進学のため渡米。アクセンチュア、NVIDIAなどシリコンバレーの新興企業で20年以上のキャリアを積み、複数のスタートアップ企業の役員を歴任。現在NTTニューベンチャー&イノベーションチームのグループ副社長。著書『Dear Chairwoman』は、2021年に米国市場での発売初日からアマゾンベストセラー。 皆さん、『CES(Consumer Electronics Show)』を知っていますか?『CES』はTech業界では知らない人はいないくらい有名な展覧会で、1998年から毎年ラスベガスで開催されています。参加者は10万人以上、そして1,000社を超える新規参加企業にて開催され、Tech業界のイノベーションと未来に向けた話題で圧倒的な存在感を示しています。今回のCES 2023のテーマは「Human Security for all」。世界中の人々の生活を向上させるイノベーションと製品に焦点を当てています。特に私たちの仕事や生活にインパクトを与えるEV(電気自動車)やスマートホーム、メタバースに大きな注目が集まりました。 今回、日系企業であるパナソニック、キヤノンのほか、韓国勢のサムスン、LG、SKグループなど、巨大企業の多くが「サステナビリティ」を重要テーマとして掲げました。実際、パナソニックは今回のCESで「グリーンインパクト」というキーワードを発表。脱炭素社会を実現し、環境問題解決に貢献することで家や街、モビリティなどの分野で人々の暮らしがどう変わるのかを紹介しました。 大手メーカー各社からは、サプライチェーンや製造過程でネットゼロ*1やカーボンフットプリント*2を改善したり、消費者・企業の両方がそれに貢献できる仕組みを体現したりするような発表が多くありました。またスマートホーム部門では、より省エネや低廃棄を実現するプロダクトに大きなスペースが割かれました。さらにこうした物理的なデバイス・アプリケーションとデータをうまく連動させる設計(データインテリジェンス)も見られました。このようなエコシステムの醸成により、さらなるサステイナビリティやイノベーションを実現することを目指しています。 15年前のCESでは、自動車メーカーはわずか1社しか出展していませんでしたが、今シリコンバレー便りPOPPINS GROUP NEWS

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